平成17年度春団体戦


団体戦結果

鹿 勝点 勝数 順位
九州 3 5 3 4 5 4 6 24 1
福岡 2 5 3 2 4 3 4 19 2
大分 0 0 0 0 0 1 0 1.5 7
長崎 2 2 5 3 4 3 4 19 3
鹿児島 1 3 5 2 2 4 3 17 4
熊本 0 1 4 1 3 4 3 13 5
北九州 1 2 4.5 2 1 1 1 11.5 6

個人成績

鹿 成績
浜口 0-4
畑堀 1-2
村上 2-4
吉田 4-2
宇戸 2-0
下地 1-2
西村 3-3
総評

 前回屈辱の最下位(そう捉えてほしい)を喫した熊大。これから入部する新入生たちのことを考えても、戦える集団になってほしいと願っていた。
 三年生の復帰によりオーダーははるかに厚くなったのだが、やはりエースを要する他大学との差は感じられる。勝負の鍵は、二年生が握ることになると予想された。

一日目

一回戦 対大分大学

 大分大学は四人で福岡に来ていた。しかも主力メンバーが多くいなくなっていた。かといってこちらも最下位、結果は予想できない。
 吉田は途中苦戦したものの、下四人が勝ち一年ぶりの団体戦勝利。大将浜口は粘ったものの形成の差が大きく敗退。少し心配だ。下地は団体戦初勝利となり、ほっとしたことだろう。

二回戦 対長崎大学

 もはや完全に実力を逆転されてしまった長大戦は、今回の戦いのキーポイントだろう。ここでどれだけ戦えるかが、秋への展望にもなる。
 長崎の三枚看板のうち、安田氏、中村氏を苦戦させることとなった。村上は棒銀からうまくまとめ、待望の攻めに。しかし差が大きかっただけに、もう少し落ち着いてもよかったと思う。玉頭戦の末に最後はぎりぎりつまされてしまった。吉田も攻め駒が躍動し好調に見えたが、細かいところで間違えまぎれ始めた。そしてさすがの終盤でこちらも詰まされてしまう。その反動かどうか、宇戸は詰まされていた局面で相手が受けになっていない手を指したため、一手詰めの幸運を得た。しかしこれも詰めろをかけていた結果なので評価すべき点はある。
 負けはしたものの、チャンスはあった。特に四将での連勝は大きい。

三回戦 対九州大学

 戦力勢ぞろいの九大戦。勝つことは困難だが、いつかは再び逆転するためにも、食らい付きたいところである。
 正直、どこも苦しかった。途中優勢になるものもあったが、それを持続させる力はなかった。その中で唯一、序盤から大長考で緊張感漂った五将戦。西村は山内氏に対しあと一歩のところまで追い詰めた。悪くなってからも怪しい手で耐え忍ぼうとした姿は期待させるものがあった。
 この西村のがんばりのおかげ(?)で、予定されていた四回戦は二日目に回された。

四回戦 対福岡大学戦

 西村のおかげで、二日目から参加の畑堀がここから出ることができた。福大は鹿大に負けているので特に必死になってくるだろうと予想された。
 村上は再び棒銀で強豪北川氏に作戦勝ちに。しかし途中で弱気の手が出て、そこから反撃の順は回ってこなかった。他の対局も苦戦。畑堀は銀冠に組もうとしたところを攻め立てられ防戦一方。一旦受けきったかに見えたが攻める手も難しく、第二の攻めに耐え切れなかった。
 吉田は一年内田氏と白熱の攻防戦。だが、経験がものをいったのか強気の受けから優勢に。本人の名誉のために言っておきますが、決して最後はとん死勝ちではありません(笑)
 ここでもやはり看板の差が出てしまった。

五回戦 対北九州市立大学戦

 順位を上げるためにも負けられない一戦。
 吉田は攻めが切れそうになったが、強引に食いついて寄せきった。畑堀は伊藤氏に対しうまくさばいたものの、中盤微妙な手が続き失速。宇戸も大優勢から怪しくなったものの最後は即詰みに。右手でめがねを抑えながらもこれで二勝目。
 チームも二勝目をあげ、五位以上がほぼ確定した。

六回戦 対鹿児島大学

 わずかながら、二位の可能性を残す鹿大との最終戦。勝にこだわったオーダーで臨んだ。
 浜口・村上は序盤から敗勢で、粘りようもなく早々と負けにリーチがかかってしまった。しかし畑堀・吉田は特徴を生かしうまく勝ちきった。勝負は五将戦へ。実は去年秋から負けの続いている西村。今回も不戦勝しかない。相手は実力者須藤氏。難解な終盤戦に突入し、西村玉は左から右へ、上から下へとふらふら逃げる。そして必至を駆けられたところで、長手数ながら詰ましし切ることができた。
 鹿大に勝ち久々にチームが負け越さなかった。結果は順位一つあがっただけの五位だが、上位との差はそれほどはないと思う。

 僕の目から見ても、よく戦ったと思う。特に二年生のがんばりは大きかった。三勝三敗は去年の春と変わらないが、林田・河野といった四年生ではなく、三年生以下で勝てたことが大きい。二年生は健闘したが、来年は勝って当たり前の立場になる。戦力が最も充実するであろう来年をどう戦うか、今からどれだけ準備できるかが今後の熊大の活躍を左右することとなるだろう。


個人評価(貢献度)


浜口 ☆☆

 今になり部長で大変だと思うが、今までは部長じゃなかったのだから将棋の言い訳はできない。分大は全体で一勝しかできなかったが、それは浜口が謙譲したものである。本来率先して手本を示す立場なのに、序盤考えずに作戦負け、終盤時間を使わず寄せられる、チーム最初に投了、というパターンを繰り返すのはいただけない。

畑堀 ☆☆☆

 一勝しかできなかったが、今後につながる将棋を見せた。問題は中盤なので、大局観を磨いてほしい。実は団体戦初勝利だが、秋からはポイントゲッターにならなければならない。勢いは一番感じられるし、全戦出ていれば大きな活躍をしていたことだろう。

村上 ☆☆☆☆

 今回の成績は本人にとっては不本意だろうが、マークされるだけの将棋を指してきた結果でもある。今後熊大が上位に行くためには、相手校のエースに勝たなければならないだろうし、本人もそれを自覚していると思う。負け越しはしたものの、やはりその存在感は必要だ。

吉田 ☆☆☆☆

 序盤に対する感覚は一番信頼できる。終盤の速度計算や勝手読みがなくなれば上位にも勝てるようになるだろう。今回取りこぼしせず勝ち越したので、次回からはマークされるかもしれないが、プレッシャーに負けないようしっかり準備しておいてほしい。

宇戸 ☆☆☆☆

 めがねを壊しながらも負けなし。危なっかしいものの、去年より本当に強くなっている。独自の研究も重ね、将棋に対して貪欲なので、連続して指せる体力をつけて、秋も勝ちまくってほしい。

下地 ☆☆☆

 こちらも団体戦初勝利。危なっかしいところはあるものの、鋭い手を指すこともある。ただ、「任せる」にはまだまだしなければならないことがたくさんあるので、定跡や終盤をもっと勉強して、力強い将棋を目指してほしい。

西村 ☆☆☆(☆)

 カッコ内は最終戦の評価である。出番が少なかったのでなんともいえないが、九大戦などは勝ってほしい将棋だった。どうも淡白になってしまうときがあるので、楽して勝とうとせず、丁寧に指すことを心がけてほしい。

文責 清水


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