平成14年春九州大会総評         
                                 末永

0.まえがき
 歴史とは何か、ということを考えたとき、“歴史とは何か”という岩波新書のカーという人の本によると、歴史とは歴史家(国家の役人etc・・・定義は難しいのだが)によって陳述されたのが歴史であり、ここで民衆の様子などは特に古代においてはあまり述べられてなかった。現代においてある時代の様子を考えたとき、歴史家の書いた歴史では不十分で、例えば”二条河原の落書”などの京都二条河原に貼りだされた長詩なども民衆の様子を書いた貴重な資料として用いられている。
 ここで今の熊大将棋部に話を戻そう。熊大将棋部には”龍棋”という正史が存在する。今の私たちも昔のことを知るためには龍棋を用いるし、過去の先輩たちの残してくれた足跡は龍棋に刻まれ、いろいろなことを教えてくれる。
 そして現代では熊大将棋部にはホームページを持っており、ある意味世界中に情報がわたる世の中である。ホームページの文章は二条河原の落書となりうるのか・・・・・・?


 おそらくなり得ないとおもいますが、それはホームページの信用が低いということにして気楽に総評を書きたいと思います。
 正史のほうは今度発行される部誌をお待ちください。


1.オーダ−決め〜大会前日まで
 今回の九州大会はこれまでと少し事情が違ってました。これまでの熊大は実績をもっておられる方がレギュラーの半分以上を占めてましたが、今回の団体戦では土橋、井銅両先輩しかおらず、実質あと3名をどのようにしてやり繰りしていくかが問題でした。強化リーグで調子がよかった順で清水、河原、林田をレギュラーに決めましたがそれでも時にはC級の人に負けるときがあるなど安定感が問題でした。もし3人が誰かがだめな時、特に初レギュラーとなる林田がどうなるかわからないので、井手口を3人の間に入れ、そして当て馬に末永を入れるという方針で挑みました。
 大会前日夜、みんな普通に福岡入りしましたが、神田がとても気持ち悪いことをして一緒の部屋にいた清水、河原、井手口に大ダメージを与え、よく寝れなかったという悪影響を与えました。

2.大会1日目
  
 第1回戦 長崎大学戦
  長崎大学戦はレギュラー(上から土橋、井銅、河原、林田、清水)がそのまま出て全勝。まずは無難なスタートを切った。林田は団体戦初勝利であった。とりあえず部内で指してるように指していたのでまずは一段落。熊大とは関係ないが大分大が鹿児島大に5−0で勝った。これは清水の予想外であったみたいで、過去の当たり順からみると今度は分大。末永が清水に「末永君出るかもよ」といわれ慌ててしまう。昼休みのときマジ会議を開き当て馬を使うことが決まった。

 第2回戦 西南学院大学戦
  しかし、次は西南大。当然当て馬を出すことなくレギュラーがそのまま出て全勝。このとき当たり順が本部から出され分大戦は2日目とのこと。そして次は福大戦ということがわかる。
  周りの様子は?というと優勝候補九大が分大を3−2で破る。

 第3回戦 福岡大学戦
  メンバーは変わらず。序盤で河原、林田が悪くなっている。これはいつものこと。土橋、井銅両先輩もよくもなく悪くもなく、清水だけがうまく指せていた。しかしいつもどおり河原、林田は相手をごまかしていつのまにか勝っていた。しかし清水はいつもは攻めないのに、よくなりすぎたのだろうか、攻めすぎてしまい逆転負け。両先輩がたはいつもどおりの”らしい”将棋をさしておられ勝利を収められた。

 1日目はチームは全勝。負け数も1でまずまずの立ち上がりだった。夕食はいつもどおりうどんを食べる。

3.大会2日目

 第4回戦 鹿児島大学戦
   朝、鹿児島大の阿部君に会い、”熊大は当て馬使うんですか?”なんてことを皆で朝食を取っているときに聞いてくる。この後部長を中心に皆で会議を開き、本当に当て馬を使うことを決める。熊大が当て馬を使うのはいつのとき以来であろうか。
   オーダー提出。熊大は上から末永、土橋、井銅、河原、清水。鹿児島大の方は上に2枚入れてきた。このとき誰もが予定どおりになったことにホッとし、この後ともうまくいくだろうと思ったはずだが・・・。まず清水、河原が負ける。作戦負けになったらしい。熊大関係者はみなかなりお寒くなる。土橋氏はいつもどおり(これはすごいことなのだが)だったので、残りの3将井銅、当て馬大将末永の2戦が勝負となった。3将戦は角換わり腰掛け銀の激戦となる。最後25手詰みが井銅氏の玉にあったようだがそれを相手が見逃し熊大辛勝。最後、相手の攻めを逃げている16手、約16分の間はみんな心臓に悪かったと思う。そして2−2となって残った大将戦。末永は井銅土橋両先輩が勝っているのはわかっており、そして4、5で1勝はしている(確率の問題で)→熊大勝利!!と思っていたので、序盤かなり悪くなっていたのでただ粘る手だけを指していたが、相手が駒を渡す攻めをしてきたので手持ちの駒を使ってなんとか寄せることができた。多分歩を垂らされているぐらいで悪かったと思う。
 結果熊大3−2で辛くも勝つことができた。


 第5回戦 大分大学戦
    九大を苦しめた大分大学との対戦である。分大はどうやら2,3,4将が強いみたいなので1,5は是非とも勝っておきたい試合である。予定どおり当て馬を入れる。メンバーは上から末永、土橋、井銅、河原、清水。3、4将は分大の三間穴熊。経験値が少なかったのもあって3、4将は分大に取られる。大将戦は末永の四間飛車でうまく仕掛け快勝。5将は清水の作戦勝ち(左美濃で銀が55まで行けた!)となるがまたまた失速。チームにとっても自身にとっても3敗目を喫してしまう。大将戦はきわどい勝負となるが、さすがというしかない終盤力で土橋氏の勝ち。結果2−3熊大の負け。しかしあとで計算すると九大戦1−4なら優勝できるかもしれない(過去、勝ち点勝ち数同じの場合は前回の順位が反映されるらしい)のでみんな首の皮一枚でつながったと思うと同時に、みんなでやるっきゃないっていう感じになった。

 第6回戦 九州大学戦
    清水が調子が悪く、末永が2連勝していたので清水を外し末永を入れた末永、土橋、井銅、河原、林田の順で挑んだ。さすがに九大佐藤氏の前に末永の九州大会ドリームは、馬が死んで泣く泣く香車と交換してしまった瞬間終焉を迎えたが、土橋氏は陽動振り飛車で九州学生名人の中本氏に勝ち、井銅氏は相矢倉で詰めろ飛車取りをかけて勝ち、河原はイビ穴で九大戦2連勝を飾った。林田は相穴熊(振り穴持ち)で振り穴ハマリ形になるが、今大会初めて緊張してしまい逆転負け。結果3−2で熊大の勝ち。九大に団体戦で勝ったのは一年ぶりとなる。しかしこの瞬間分大の優勝が決まった。


個人総評

大将 土橋健一 6−0
  この成績でとやかく口を出す人はいるのだろうか?個人戦でも優勝し今大会唯一の負けなしである。おそらくいろんなことがさまざまなことにおいて、いい方向いい方向に進んでいるに違いない。すごい!の一言である。

副将 井銅三有 5−1
  惜しくも分大戦で負けチームの負けにも絡んでしまったがこれは確率の問題であろう。体調があんまりよくなかったにもかかわらず、出場してもらい感謝の一言である。今度の九州大会は氏にとって最後の大会となる確率が大きいので、有終の美を飾るべく健康に気をつけて研究室で24を頑張ってほしい。

参将 河原弘幸 4−2
  氏の実力からして今大会一番きついと思われていた三将で九大に勝っての4−2とは立派である。相変わらず相手の様子を見ながら相手の気持ちを探り、そしてごまかしつづけているがその芸も氏の中ではそろそろ完成されつつあるのだろか?秋までには完成してほしいものである。

四将 林田敬祐 3−1
  大会前は順位戦で相振りでボこられてへこんでいたが、大会では相振りになることはなく、振り穴を指せて大喜びの3−1である。九大戦で本当に惜しいところまでいって敗れてしまったのは、おそらく日頃優勢になったことがあまりないので優勢になっての指し方に迷いがあったのだろう。これからはそんなことをなくすためにタンのみで上がらずピンorイーペー+ドラをつけ、せめて満貫で上がるよう努力してもらいたい。

五将 清水俊  2−3
  今大会は明らかに調子がおかしかった。はっきり言ってしまえばS級戦犯である。いろいろ思うところあったと思うが、今度の大会では汚名を払拭すべく全勝を狙ってほしい。今年の学科の1年生はかわいいと言っていたので私生活に変化があれば、と思うのだが。

当て馬大将 末永誠 2−1
  今回がはじめての九州大会で大将で出場となんとも氏らしいが、何とか迷惑をかけずホッとし、すぐさま居酒屋のバイトを始めた。始めての団体戦は王座戦だったのであまり震えなかったのかもしれない。大会で足りなかったところはトロとカンパチを盗み食いして補いDHAを摂取し頭の回転をよくしようと企んでいる

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